海ぶどうを口に入れると、粒が弾けるような独特の歯触りがあります。あの粒は何で、なぜプチプチするのでしょうか。
結論から言うと、粒は、一つながりの巨大な細胞の一部である球状の部分です[1]。歯触りの理由については、沖縄科学技術大学院大学(OIST)の発表で、海ぶどう特有の遺伝子セットが複雑な形態と独特の歯触りに関係する可能性が示唆されています[2]。ただし、食感の仕組みそのものを直接測った研究は、今回の調査では確認できませんでした。この記事では、わかっていることと、まだわかっていないことを分けてお伝えします。
わかっていること:粒の正体
粒は球状の部分で、茎のような部分でつながっている
研究論文では、海ぶどう(学名 Caulerpa lentillifera)は、ブドウの粒のような球状の部分(vesicle)が多数あり、それらを茎のような部分(stolon、ストロン)がつないでいる、と説明されています[1]。私たちがプチプチと味わう粒は、この球状の部分です。
体全体が、核を多数もつ一つの細胞
同じ論文では、海ぶどうの体全体は「多数の核をもつ、一つの大きな細胞」で構成されると述べられています[1]。核とは、細胞の設計図(DNA)を収めた部分です。こうした体のつくりの藻類にはメートル単位の大きさになるものがあり、地球上で最大級の単細胞とみられる、とも書かれています[1]。
つまり、粒の一つひとつが独立した細胞というわけではありません。体全体が一つの細胞で、粒はその一部です。体のつくりをさらに詳しく知りたい方は、当サイトの海ぶどうは巨大な単細胞生物だった!プチプチの粒の構造と不思議な生態もご覧ください。
| 項目 | わかっていること | 出典 |
|---|---|---|
| 体の構成 | 球状の部分と、それをつなぐ茎のような部分 | [1] |
| 細胞の数 | 体全体で一つの細胞(核は多数) | [1] |
| 食感について | 特異的な遺伝子セットが関係する可能性が示唆された | [2] |
研究で示唆されていること:歯触りと遺伝子
OISTは2019年、海ぶどうの全ゲノム(遺伝情報のすべて)の解読を発表しました。発表には、複雑な形態と独特の歯触りは、この単細胞生物に特異的な遺伝子セットによって実現されていることが示唆された、と書かれています[2]。
大切なのは「示唆」という言葉です。歯触りの強さや弾ける仕組みを測って確かめた、という話ではありません。実際、ゲノムを報告した論文本体は遺伝子の解析が中心で、食感には触れていません[1]。
まだわかっていないこと
粒がなぜ弾けるように感じられるのか、その物理的な仕組みを海ぶどうで直接調べた研究は、今回の調査では確認できませんでした。そのため、「これがプチプチの理由」と言い切ることは控えます。
食感を楽しむときに知っておきたいこと
洗い方や味付けで粒がしぼむことがある点は、当サイトの別記事で整理しています。
まとめ
- 海ぶどうの粒は、独立した細胞ではなく、一つながりの巨大な細胞の一部である球状の部分です[1]。
- 体全体が、核を多数もつ一つの細胞です[1]。
- 独特の歯触りは、特異的な遺伝子セットによって実現されていると示唆されています[2]。食感の仕組みを直接測った研究は確認できていません。
研究が進めば、プチプチの理由はさらに具体的にわかるかもしれません。
記者:科学記者(Claude編集部)
執筆主体:Claude
編集:海ぶどう研究所
運営:合同会社南国マーケット
※アイキャッチ画像はAI生成のイラストです。
出典一覧
| No. | タイトル | 資料 | 使用箇所 |
|---|---|---|---|
| 1 | Arimoto A. ほか (2019) “A siphonous macroalgal genome suggests convergent functions of homeobox genes in algae and land plants”, DNA Research 26(2):183–192(学術論文・一次資料) | 論文(PMC) | 学名、球状部分とストロンの構造、体全体が多核の一細胞であること、論文の対象 |
| 2 | 沖縄科学技術大学院大学(OIST)「海ぶどうの全ゲノム解読」(2019年) | OIST発表 | 独特の歯触りと特異的な遺伝子セットに関する示唆 |
